フロイトは無意識を「隠されたもの」としてとらえました。
しかしユングは無意識を「意識的な心理現象の中につねに顔を出しているもの」だと考えたようです。
そしてその無意識に通じる1つの手段が夢であるととらえました。
また、ユングの考え方の1つに「ナンバー4」(心には4つの機能がある)と言う考えがあります。4つの機能の位置を方位で表すと、北の位置に思考があります。そして南の位置にあるのが感情、東の位置に直観があり、西の位置に感覚があります。
ユングは「人は皆、生まれながらにこのうちのどれかひとつが発達している。また対極にあるものが劣っている」と考えました。このうち対極に位置するものである「思考」と「感情」は両立することができません(直感と感覚も同様です)。思考が優勢機能として分化した人は、感情は劣勢機能として、未分化のまま無意識に沈んでいると考えました。更に思考が優性機能なら、感覚か直観が補助機能として働いているとも考えたようです。
例えば、論理的に考える思考優勢タイプの人にとって、本来、開発していなければ、感情機能は未分化のままです。感情を刺激された時などは、そういう機能を使い慣れていないのでコントロールが効かず、怒りをさらけ出してしまったりします。つまり、他人から見て「感情的」な人ほど感情タイプではなく、実は思考タイプということになります。
このように無意識に潜む隠れた劣勢機能に気付き、自己に取り入れて行くことが「自己実現である」というとらえ方をしたようです。
ユングのアーキタイプ(元型)とは?
ユングは個人的無意識とならび、人類に普遍的な集合的無意識が存在すると考えました。
また、それは人が見る夢によってあらわされていたり、民族が共通に抱く意識化された概念の
神話や民話などにあらわれていると考えました。
後にユングは人が共通に持つタイプには様々な型があり、それを「元型」(アーキタイプ)と呼び、
次のように分類して表しました。
1. シャドー(影 )
2. アニマ/アニムス
3.グレートマザー (母 )
4.オールドワイズマン( 老賢人)
5. 英雄/トリックスター
6. 自己
例えば、夢に見知らぬ同性が出てきたとします。その同性は「何かとても嫌なやつ」に感じられました。
また、「その嫌なやつ」がどこまでも追いかけてきたりもしました。
こんな夢は誰しも一度は体験したことがあるかもしれません。これをユング的に解釈すればシャドー
の典型夢になります。
人は誰でも今の自分を色々な環境や両親、周囲の人の影響受けながら選択して造り出して生きています。
「あるものを選択」すれば当然「他のあるものは選択しなかった」ことになります。
そして選択しなかった「あるもの」は無意識下でもう一人の自分を造り出していきます。
これをユングはシャドーと呼びました。
今度は逆に夢に理想の異性があらわれました。とても魅力的でとても引き付けられる理想の異性です。
これはユング的に解釈すればアニマ/アニムスの夢になります。
私達は生まれてから生理的にも社会的にも男か女かのどちらか一方の性を強要されます。
自分が男であれば、発達上のある時期に女性的な面は無意識に追いやられてその部分は
「アニマ」として表現されます。
逆に自分が女性であれば、男性的な面は無意識に追いやられて抑圧された男性的な面が
「アニムス」として表現されます。
それらが「自分の理想の異性」として無意識に存在し、現実の選択(交際など)にも無意識に影響を与えます。
このように自分の夢を知ることは「自己実現の手助け」や「抑圧されたもの」や「自分の理想の異性」
など、自分の心を知る手がかりにもなります。
しかし、あまり夢にとらわれすぎることも危険な場合もあるので、ほどほどに夢だと割り切って考えることも
大切なことです。