自律神経/内分泌/免疫の相互関係


ここでは簡単に自律神経、内分泌系、免疫系が相互作用をするしくみについて書いてみます。
俗に「ホメオスタシスの三角形」と呼ばれるようにこれらの機能は密接に関連しています。


この働きがよく解るお話に、俗に言う「闘争か逃走か(fight or flight)」があります。
例えば犬に追い詰められた猫の行動は、逃げるか闘うかどちらかになりますよね?
この時、猫の体内では逃げるにしても闘うにしても適応できるような反応が起きています。

追い詰められた猫をイメージしてみましょう!
心臓が「ドキドキ」、呼吸は「ハアハア」、目は見開かれ、毛は逆立ち、向ってくるのか逃げ出すのか解らないような雰囲気がイメージできますよね?

このような場合、猫の自律神経は交感神経系が亢進し、毛細血管が収縮し、心拍数が増加しています。
この結果、血圧も上昇し、逃げる為にも闘う為にも必要な筋肉への血液量が増加します。
また酸素も多く必要なので気管も拡張します。
逆に出血しにくくする為に皮膚や胃腸などの血液量は減少しています。

このお話で簡単に自律神経系のイメージがつきましたよね。

次には内分泌系ではどのようになっているでしょうか?
このような時、交感神経終末からノルアドレナリンが放出されています。同時に内分泌系の一つである副腎からは(内側のほう髄質)アドレナリンが放出されます。

ノルアドレナリンやアドレナリンの働きは何処から出ているかによって、また種類によって(α、β)異なりますが、ここでは大雑把に捉え、副腎から放出されるノルアドレナリンやアドレナリンは心拍数の増加、血圧上昇、瞳孔の拡大などを引き起こします。このように内分泌系と自律神経系は共に相関関係にあることがわかりますよね。

さて免疫系はどうでしょうか?
交感神経の末端からはノルアドレナリンが放出されています。逆に副交感神経の末端からはアセチルコリンが放出されています。当然、交感神経が優位な状態ではその末端からはノルアドレナリンが放出され、アドレナリンの受容体を持つ顆粒球が増加します。顆粒球が増加すればリンパ球は減少します。リンパ球が減少するとウィルスなどの感染症や細胞のガン化などの病気を引き起こします。
また一時的な状態では大丈夫でも、絶えずストレス状態に陥っていればストレスを認知するもう一つのシステムも働きだします。間脳にある視床下部から命令が下り脳下垂体へ、更に命令が下り副腎から(外のほう=皮質)コルチゾ−ルが放出されます。このコルチゾ−ルとは一般にステロイドと呼ばれているものです。働きとしてはエネルギー代謝の促進、心拍数の増加、血糖の上昇、筋肉疲労の抑制などです。後一つ大切な働きがあります。これは免疫力を弱めてしまうということです。免疫系のマクロファージをはじめ、リンパ球のB細胞やT細胞を抑制してしまいます。これで免疫系を含めた三者が密接に関係していることがイメージできましたよね?
図ストレスのルート参照


まとめ

このようなお話は動物よりも実は人間のほうがよく起っているかもしれません。例えばイライラや不安、恐れ、憎しみ、怒り、追い詰められる気持ちなど、このような気持ちを常に持っていれば些細なことでも「カリカリ」していたり、常に「ビクビク」していたりします。人間と動物が違う点は脳が発達しすぎた為に、本来過剰に反応しなくてもよいものまでストレッサー(ストレスのもと)として受け取ってしまうことではないでしょうか?
ストレスを放置していればアドレナリンやノルアドレナリンが常に身体や脳で駆け巡ってしまいます。またあまり追い詰められれば脳の神経伝達物質の流れが悪くなり、自律神経がうまく働かなくなります。このような状態を総称して「心身症」と言います。心身症に含まれる主な病気と症状

またこれらのホルモンだけではなく、副腎からコルチゾ−ルなどが常に放出されるようになります。更に免疫システムであるリンパ球(獲得免疫)を減少させます(獲得免疫とはガンやウィルスを処理してくれる免疫です)。
リンパ球が減少すれば顆粒球と呼ばれる自然免疫が多くなります。これらは活性酸素を放出します。よってこのような状況(ストレス状態が大きい)ことを放置しておくことで様々な精神的、身体的な症状を引き起こしてしまう危険性があります。(図 免疫の種類参照